Ableton Liveでのオートメーションの書き方【初心者向け】

「オートメーション」──初めてこの言葉を聞いた時、正直なんのことかわかりませんでした。工場の自動化?自動ドア?いろいろなオートメーションがありますよね。

この記事では、Ableton Liveで音楽制作を始めたばかりの方や、これからDTMを始めたい!という方向けに、「オートメーションとは何か」「どうやって書くのか」をわかりやすくご紹介します。



1. オートメーションとは?

オートメーション(Automation)とは、時間の経過に応じてパラメータ(音量やエフェクトなど)を自動で変化させる機能です。

たとえば…

  • 曲の盛り上がりに合わせて音量を上げる
  • シンセのフィルターを徐々に開けていく
  • ステレオ幅の調整(Width)
  • リバーブを徐々に深くしていく

…など、手でリアルタイムに操作しなくてもDAWが勝手にやってくれる、それがオートメーションです。Ableton Liveは、このオートメーションが直感的でとても書きやすいのが魅力のひとつだと思っています

「自動化」と聞くと難しそうですが、実は"毎回同じつまみ操作を自動でやってくれる録音機能"と考えるとシンプルです。
たとえば、歌モノの曲でサビが近づいたらリバーブが深くなってきて「空間が広がった感じ」になったこと、ありませんか? それもオートメーションです。


2. なぜオートメーションが重要なのか?

理由はシンプル。「聴いてて飽きない曲」を作るためです。たとえば、最初から最後まで全く同じ音量・同じエフェクト・同じフィルター設定で曲が続いたらどうでしょう?どんなに良い音でも、ずっと変化がないと人間の耳はだんだん慣れて、刺激を感じなくなってしまいます。

たとえば…

  • サビで音量をグッと上げて迫力を出す
  • フィルターを開けて「盛り上がってきた感」を演出
  • リバーブを一瞬深くして“空間が広がったような”効果をつける

…といったように、曲にメリハリやドラマを与えることができます。つまりオートメーションは、

構成を「演出」するためのツール
リスナーの感情を動かすスパイスでもあるんです。

人の耳は、変化が少ないと「聞き流すモード」に入ってしまいます。つまり"オートメーション=注意を引き戻すための技"とも言えます。
逆に言えば、上手にオートメーションを書くことで「この人の曲なんかプロっぽい」と思わせることができるんです。


3.オートメーションを書くための準備

準備といっても、特別な設定は必要ありません。まずは「オートメーションモード」に切り替えるだけです。

1.画面右上の「オートメーションモード」ボタンをクリックします。→ 黄色になっていればOK!!

2.オートメーションモードにすると、各トラック上に赤い線(パラメータ線)が表示されます。これがオートメーションのラインです。


4.どんなパラメータをオートメーションできる?

Ableton Liveでは、ほとんどすべてのパラメータがオートメーション可能です。

  • 音量(Volume)
  • パン(Pan)
  • プラグインの各種パラメータ(フィルター、ディレイタイムなど)
  • ソフトシンセのオシレーターのオン・オフ、カットオフフィルターなどなど…

オートメーションモードで操作したいパラメータを触るだけで、自動的に赤いラインが表示されるので、非常に直感的です。


📦 オススメのオートメーション例
  • リードシンセ:カットオフ、レゾナンス
  • パッド系:ステレオ幅、リバーブのミックス量
  • ボーカル:ボリュームの微調整、EQの高域ブースト

5.オートメーションの書き方

オートメーションを書く基本操作はとてもシンプル。

1.赤い線をクリック → 点(ノード)が追加されます


2.別の位置にも点を打ってドラッグ → その区間でパラメータが変化します。


たとえば…

  • 音量をだんだん上げたい → 最初は低く、後ろで高く
  • フィルターを開けたい → カットオフを徐々に上げる

というようなことが可能です。


✨ ワンポイント実践アイディア

  • 最初は1トラックだけでもOK。たとえば「リバーブの量を変える」だけでも印象はガラリと変わります。
  • ドラムトラックに少しフィルターを入れてから徐々に戻すと、「場面が切り替わる」印象が生まれます。

カーブも描けます!

2つの点の間を Option(Mac)/Alt(Windows)キーを押しながらドラッグすると、カーブ状に変化させることができます。より自然な音の変化をつけたいときに便利です。

💫 曲線は“自然さ”を出す武器!

たとえば、直線的に音量が上がるよりも、最初ゆっくり→最後にグッと上がる方がドラマチックに感じられます。これは人間の感覚に近い変化だから。Option/Altキーで曲線を使うことで「聞かせどころ」をより自然に表現できます。


〜おわりに〜

オートメーションは地味な機能に思えるかもしれませんが、曲の表情を豊かにしたり、聴かせどころを作ったりするのに欠かせない機能です。

Ableton Liveは、他のDAWに比べてオートメーションの書きやすさが抜群。ぜひいろいろなパラメータで試してみて、自分だけの音の動きを演出してみてください!

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